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2017.08.20

灯台モード

このところ俄かに灯台モードである。
きっかけは「灯台はそそる」(不動まゆう)の書籍広告であった。
小さな広告だったが気をそそられて発注した。8/11。
著者は海事には関係の無い普通のOLだが、どこでどう狂ったか灯台愛が嵩じて個人で灯台のブログを運営し雑誌を発行している。
現在も夏休みで遠出してイギリスあたりの灯台を経巡っている。
 
 
内容は私としては特に共感も感動もなかった。飽くなき灯台フェチに感心したのみである。
一番の理由は彼女にとって灯台は「見る」対象なのに、私にとっては「導き」の対象だったからである。
 
~~~位置をとる~~~
私がヨットに最もよく乗っていた時代、GPSもなければ通信機器もない、一旦海に出れば陸と連絡をとる手段は何も無い時代であった。
自艇の位置はチャートに2点の陸標から直線を引き、その交点を自位置としたのであった。最も信頼できる陸標が灯台であった。
例えば東京から熊野灘に向かう場合、剣崎と風早埼から線を引いて交点に時間を記入しておく、そして爪木崎と竜王崎の交点で時間を記録する。その交点と交点の距離をデバイダーで計り、その間の距離で自艇のスピードを割り出すのであった。スピードメーターは持っていなかった。
線を引くのにハンドベアリングコンパスを用いた。目標に向けて方位を測定し記録するのである。
 
これが我が艇ではコンパスに次ぐ2番目の航海計器であった。
 
陸標を頼りに出来るのは沿岸航海である。陸が見えない大洋では天測になる。六分儀と天測表で難しい天測と難しい計算を行う。
私はそれをマスターする気力がなかったから沿岸航海ばかりであった。
 
陸標は夜間には灯台となる。ご存知のように灯台はそれぞれ固有の灯質(光り方)を持っている。
例えば剣崎灯台は「毎30秒毎に2白閃光、1緑閃光」である。石廊崎灯台は「単閃白赤互光 毎16秒」である。
暗夜に目指す方角に目指す光り方の灯台を認めた時の喜びは、固まった我が身を蕩かす思いがした。
 
主だった灯台の灯質(光り方)は覚えているのがクルーザー乗りの心得であった。御前崎とか、大王崎とか、見えてくる前に予見しておかねばならない。
とはいっても全部は覚えられない。そこで「灯台表」である。全国3000の灯台のデータが記載されている。
 
 
私のハンドベアリングコンパスと灯台表は最後の艇を手放した時に積み込んだまま渡してしまった。寂しい。
 
~~~神子元島灯台~~~
東京湾口の大事な灯台に神子元島灯台がある。「群閃白光 毎16秒2閃」
下田港から3マイルほど沖合の無人島である。小さな島にしては異様に大きな灯台が不気味である。
 
先日Facebookにドローンでこの島を写した動画が掲載された。見るほどに無愛想な島である。
ところが昔はここに灯台守が住んでいたのだ。
1913年、若山牧水が灯台守をしている学友を訪ねて島に1週間滞在したという。
牧水の学友と言えば早稲田卒だろうか。そんな人間がこの無人島に住んでいたのか?!
 
<友が守る灯台はあはれわだなかの蟹めく岩に白く立ち居り>  牧水
 
~~~灯台モデル~~~
灯台を好きな人は多いから、灯台の模型・モデルもそこそこ出回っている。
私も幾つか飾っている。
 
 
そこで思い付いたのだが、マイコンを仕込んでこれらの灯台を規定通りに光らせたい。
私にはとても出来ないが、クラウドソーシングで請け負ってくれる人が居るのではないか。
それでココナラに出したところ直ぐに手を上げる人が現れた。
 
しかし提案してきたのは電池とマイコンの入るコントロールボックスだけで弁当箱ほどの大きさになる。
私のイメージでは電池はボタン電池にして一式灯台の中に収まってしまうほどのものだ。
はてさてうまくいくかどうか。
 

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