自由貿易は・・・
∞∞∞2017/3/22∞∞∞∞∞∞∞
~~~自由貿易~~~
「自由貿易は私たちを幸せにするのか?」(コモンズ 上村雄彦・首藤信彦・内田聖子 2017/2)を読んだ。
ノンポリで経済音痴の私がこんな本を読んだのは新聞広告を見たか らである。
そして読んで、感動している。
<日本ではいまだに「自由貿易イコール農業・工業の関税問題」と 認識されている。だが問題の本質はルール作りの不正義であり、誰 もが当たり前に生きていける地域や国を強者から取り戻すというこ とだ。>
本書では、タフツ大学の試算によればTPPによって2015年か らの10年間でアメリカも日本も経済成長率はマイナスになるとい う。参加国全体で77万人の雇用が失われ、特にアメリカでは45 万人の雇用が失われる。労働分配率は減少し、 不平等はより拡大する。
アメリカでも日本でもそのように説明されてこなかった。
また本書では「自由」と「貿易」の意味が変わってきているという 。
「自由」は多国籍巨大企業のための「自由」となり、各国の伝統・ 統制すら障害としてISDS(投資家対国家の紛争解決制度=実態 は投資家よりの制度)により後進国、弱小国へ賠償を求める。
「貿易」は本来の生産物の国際移動から多国籍巨大企業の社内取引 に変貌している。
~~~トランプとTPP~~~
トランプ新米国大統領は何をどう理解したのか知らないが、TPP を破棄した。
本書を読んだ私にはトランプが救世主のように思える。よくぞ破棄 してくれた。
~~~安倍と自由貿易~~~
先般のG20で保護貿易非難を強く打ち出さなかったのはアメリカ に配慮したためであるとの新聞論調であった。
果たしてそうであろうか?
世界の各国はアメリカ主導の「自由貿易」 に嫌気がさしてきているのではないか?
TTIP(EUとアメリカとの自由貿易交渉) の頓挫もむしろ歓迎されているようだ。
そういう中で欧州歴訪に出た安倍は各国で「自由貿易」 を呼びかけて得意になっている。
メルケルもオランドも多分「 この男は自由貿易を分かっているのか?」 と思っているの違いない。
メガ経済連携協定はTTPもTTIPも、RCEPもCETAも、 すべてこの半年で停滞あるいは頓挫の状態になっている。
それが世界の潮流である。
~~~RCEP~~~
RCEPはASEAN10ヶ国と中国、印、韓、豪、NZ、 日の合計16ヶ国の大規模な自由貿易協定である。
日本国民は賛成するも反対するも、中味を何も知らされていない。
そう、大規模自由貿易協定はすべて秘密裏に進められる。 締結後の秘密も求められる。
多分日本や韓国、 中国の大企業がASEAN諸国を収奪する内容になるであろう。
日本は主導すべきではない。
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俄か学士 森下一義
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