Spirit of Yuko 号
~~~多田雄幸~~~
白石康次郎の<Spirit of Yuko>の艇名は、彼の師匠多田雄幸氏の名を承けたものである 。
多田雄幸(1930/4-1991/3)はタクシードライバーの セーラーであった。
ヨットにとりつかれ、油壷界隈でヨットを自作して乗っていた。
係留契約などはしたことがなかったのではないか?
気さくでひょうきんな人柄がまわりにそれを許した。常に下手なサ ックスを手放さなかった。
自作艇は金が無いことから<オケラ>と名付けられた。<オケラ3 世>で太平洋横断を果した。
ヨットオーナー西堀栄三郎の知己を得、スポンサーを紹介されたり 植村直己との縁を得たりした。
1982年、<オケラ5世>で第1回アラウンド・アローン世界一 周レース(BOC)に参加し、クラスⅡで優勝。
彼のサックスは世界の港に響いた。
白石康次郎はそのニュースを聞いて東京駅から公衆電話をかけて弟 子入りした。
1990年、今度はスポンサーを得て自作ではない艇で第3回BO Cアラウンド・アローンに参戦したが、途中シドニーで棄権、その 地で自殺した。
白石康次郎と多田雄幸
私には多田雄幸の自殺は金の悩みだったと思われてならない。
そもそもタクシードライバーにヨット生活は無理なのだ。
スポンサーの期待に応えられず途中棄権した自責の念に耐えられな かったのだろう。
白石康次郎君もリタイアを決める時には師匠のことが強く念頭にあ ったに違いない。
それら一切を含めてあの表情なのだ。
しかし彼は師匠以上の強さを持っている。 そう信じる。
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実は私の艇にYさんというタクシードライバーのクルーがいた。
長文だがお時間のある方はお読みください。 http://usedboat.jp/Log/log-mr. Y.html
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