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2016.09.13

天草(てんぐさ)物語1―初島

今日(9/8)は東伊豆町の町議会傍聴に行った。わが旧友F議員が質問に立つことを知ったからである。
質問のテーマは<天草てんぐさ問題>であった。
私がなぜ天草に関心を持つのか、F議員といかなる関係か、語れば長い長い物語である。
取りあえず次の3点に分けて話そう。
1.本日の質問要旨
2.初島
3.ニール号
 
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東伊豆町役場前の金目鯛と江戸城築城石
 
~~~1.質問要旨~~~~~~~~~
伊豆半島の東海岸はところてんの原料となる天草の産地である。
品質の良いことで珍重され、各漁港はそれぞれに厳しい管理で資源を守ってきた。
例えば採取は素潜りに限定し、海女には鑑札が渡されて一般の採取は禁止されてきた。
しかし新規に海女の鑑札を受ける者がなく、遂に今年最後の80才の海女が廃業して1人も居なくなった。
 
この事態を見越して東伊豆町ではアクアラングによる採取を認める特例を定めた。
ところがこれまでの規制があまりに厳しかったため岸に流れ着いた天草を拾ってもいけないという風潮になり、天草採りが地場産業でなくなっている。
せっかくアクアラングを認めても、町外の若者が来て採ろうにも採れないではないか。
地域振興、地場産業発展の観点からすれば、もっと検討の余地がある。
これがF議員の意見であった。
 
~~~~~~~~~~~~
熱海と伊東からほぼ等距離の沖に初島がある。
 
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島の北側の港が主港で連絡船が発着する。
風向きが悪い時のために西側に避難港がある。桟橋とスロープのみで陸上施設など何もない。
いつの頃かここに「フィッシャリーナ」が出来た。そのことは後に書く。
私の忘れ難い思い出はまだ避難港だけだった時代の話である。
 
~~~初島の天草~~~~~~~~~
​1985年頃、私はマイボートを伊東に置いていた。漁港の一角の防波堤にプレジャーヨット&ボートが10数隻、肩身狭く勝手係留していた。
今よりも遥かにマリーナ事情が厳しかった時代である。
私の舟遊びの目的は銚子から熊野灘までのすべての漁港に入港することだった。
勿論伊豆半島、駿河湾、三河湾、五カ所湾では実現している。
 
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​88年5月 初島避難港にて
 
初島は伊東から5マイル=1時間でお気に入りの遊び場だった。
連絡船発着の港の裏側に、風が悪い場合の避難港があった。ケーソンの岸壁が1本。常駐する漁船もない。
着けて、泳いで、買ってきたカツオを捌いて、食べて、飲んで、寝る。他の艇と一緒になることは滅多にない。
自分たちだけの隠し砦だった。
 
ある時、珍しく人気(ひとけ)があった。
岸の網干し場の横に漁師小屋があったのだが、そこに人がいる。女性ばかりだ。7-8人。子供も数人いるようだ。
コンクリートのスロープ一杯に赤い天草が干されている。
夕餉の支度か白く細い煙が上がっている。コンロは七輪か。まさに浦の苫屋の風景である。30年も50年もタイムスリップした感覚だった。
近寄ってみたら海女だった。飛び交う言葉は朝鮮語。韓国の海女だった。
後で聞くと宇佐美の事業家が天草の権利を落札し、韓国から海女を呼び寄せて収穫していたのだという。
韓国が奇跡の成長を遂げる直前の時代だ。
 
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~~~初島リゾート施設とフィッシャリーナ~~~~~~~~~​
初島は田んぼも無く貧しい島である。長らく島内の戸数を限定し、跡取り以外は島を出ることを厳しく守ってきた。
だから都会の風俗が入ることが少なかった。
80年代の終わり頃、島の人に信頼の厚い某氏が島の振興にリゾート計画を立ち上げた。
それまで頑なに外部資本の入島を拒んでいた島民も、その人ならと受入れた。
東京電力やソニーの名前を看板に押し立てたその計画は、立派なホテルを作り上げた。
しかし完成を前にしてバブルは崩壊し、1口5000万円の会員権は売れず、倒産し?、結局現在はExivというチェーンになっている。
島の人の心の痛みは大きかろう。
 
さらに遅れて避難港の横にフィッシャリーナが建設された。どこからどういう政治力学が働いたものか。国の資金が60億も投入されたという。そんなに掛る筈がない。
すべて自前の金で三河みとマリーナを作った私は大いに憤慨したものだ。
いま初島フィッシャリーナを利用する観光客はいない。
 
全国津津浦々で繰り返されたこういう無駄な投資が日本を貧乏にした。
私は島の関係者ではないし島を研究したこともない。ここに書いたのは自分の体験と新聞記事と巷の噂である。
 
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88年7月 初島でLM35のサーベイ  黒潮丸
 

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