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2016.09.14

天草(てんぐさ)物語3-ニール号-完

実際にニール号の姿を見てYさんの幻想はますます燃え盛った。
彼の頭の中は<沈船→宝船→引揚げ→億万長者>の夢で一杯だったのだろう。
 


私の考えは違った。
・文化財扱いで引き揚げるには数十億も掛かるだろう。
・役所の許可、地元の同意、関係者の調整、大変なエネルギーが必要だ。
・実行委員会の頭には県知事くらい引っ張り出さないと、
・まず役所まわりだけだって膨大な時間と経費が掛かる。
・それで得るものは決して億万円の儲けではない。
・私はやらないよ。

Fさんも同じような考えだった。
 


Yさんは益々燃える。
町長、漁業組合長、青年部会長、仕事を休んで1人で飛び回るがどこも同調してくれない。
地元としてはこういう手合いは時々現れるので慣れているのかもしれない。
金主でもない風来坊など相手にしないのだろう。
 


ところがどういう伝手を頼ったのかYさんは遂にTVに食い付いた。日本TVが取材に来ることになった!
1989年1月日本TVの取材チームが来て潜り、ニール号を確認した。
勿論現場のリーダーはFさんである。
Yさんの執念の凱歌であった。





 

しかしここまでであった。
話は発展しなかった。

 


1989年5月2~6日、「ウィンデイホリデイ」号で現場に赴いた。


1989/05/03 妻良港外の写真である。中央赤ジャケットがYさん。右が私。
この悲壮なる顔を見よ。
 


こうしてニール号の夢は次第に凋んでいった。
Yさんの失意は甚だしく、遂に日本脱出に至る。
その話はまた別にしよう。   完
 

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