ソフトバンクのチームジャパンと早福和彦
5月初め頃より微かに伝えられていたが、ソフトバンクがチームを作ってアメリカズ・カップに挑戦する計画がいよいよ動き出した。
今月末からバミューダで始まる予選に参加するという。
本戦は2017年であり、これから3年にわたる戦いが始まる。
ア・カップ戦は毎度使用艇を巡って熾烈な駆け引き・争いがあり、ぎりぎりまで予断を許さない.。今回は以前の20人乗りから5人乗りの小型艇に変更された。
だから日本も参戦出来るようになったのだが。
この騒動で有力艇ルナ・ロッサ(伊)は不参加を表明した。
ソフトバンクチームは早福和彦(ニッポンチャレンジ時代からの選手で、解散後15年も雇われクルーとして世界を回ってレーサーを続けてきた男である)を総監督に据え、あとの4人に日本人はいない。
早くもルナ・ロッサのヘルムスマンChris Draperが参加するとの話もある。
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思えば日本は1992、1996、2000年の3回にわたりニッポンチャレンジとして挑戦したが、予選通過すら叶わなかった。
中心となったのはSB食品の山崎達光とヤマハであった。
そして15年のブランクの後、ソフトバンク孫正義が名乗りを挙げたのである。
その意気やよし!
しかしもう1人忘れてはならない人物が居る。
ニッポンチャレンジの前にア・カップに挑戦した男が居た。名古屋の人で小林正和といった。
ヤマハのようなバックも持たず、いわば徒手空拳での名乗りであったが、伊勢湾にベースキャンプを構えて訓練を開始し天晴な覚悟を示した。
1990年頃に資力が尽きた。不動産業だったと聞く。
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このほどソフトバンク・チームジャパンからクルーの募集要項が発表された。
主な募集要項は、
・19歳以上~35歳未満
・健康な日本人男性
・身長180cm以上、体重85kg以上
・日常の英会話が出来る方
・体力、運動能力の優れた人 / セーリング経験不問
英会話能力以外はニッポンチャレンジの際の募集要項も殆ど同じでなかったか。
合格者は当面の基地を置くバミューダで訓練を受け、2名程度を正クルーにするという。
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追記
思い出した。
小林正和氏のチームはたしか「ベンガル・クラブ」と言った。
小林氏の営業母体は「慶屋」グループと言った。
そしてまた思い出した。
早福和彦ははじめベンガルチームに居たのではなかったか?
そしてベンガル解散後、ニッチャレに潜り込んだのではなかったか?
ベンガルからニッチャレへ、これだけでも大変な物語である。
しかし早福和彦はニッチャレ解散(2000年)から現在まで15年間、ずっと1人で世界のレース艇をクルーとして渡り歩き、レーサー人生を続けてきたのである。
それはもう壮絶な物語であったろう。
彼ももう50歳。
その彼を孫正義が拾った。
何が待っているか。
一匹狼の流れクルーとチームジャパンの総監督では仕事が違う。
経験や努力で身に付く能力ではない。彼にその天賦があるか?
早福和彦、何処へ行く?
健闘を祈ろう。