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2014.12.04

いろんなカナリア

「未来の記憶は蘭のなかで作られる」(星野智幸 岩波書店 2014/11)という本を読んだ。
たまたま図書館の新刊棚に並んでいたので手に取った。
この人の本は初めて読む。小説ではなく、その時々新聞や雑誌に発表したエッセイ集であった。
 
最初に出ていたのは「耳のメガネ」。
著者が突然難聴になり、いろいろあって、随分抵抗のあった補聴器を付けるのだが、結局<耳のメガネだ>と納得する話である。
実は私も年令なりに耳が遠くなっている。妻がそれを強く指摘する。そして<補聴器を使うのは早い方がいい。早く慣れた方がいい>と主張する。
私はそれほどでもないと思うのだが、妻に言い負かされて耳鼻科に行く。聴力検査では<それほどでもない>と言われる。
こうして毎年聴力検査を受けている。
 
次は著者がメキシコ旅行に行く話である。行く理由は自分の亡命先の下見である。
著者は日本はだんだん住み難くなって、いずれ亡命しなければならなくなると考えている。
集団的自衛権の行使、特定秘密保護法制定の動きなどからそう考えるのである。
 
へえ~っ、そこまで考える人間がいるのかと感動した。
そしてこの人は炭坑のカナリアだなと思った。
文学者はかくあらねばならない。これこそ文学者の存在理由だろう。
 
しかし待てよ、と思った。
日本で文学者といえば大江健三郎とか村上春樹のノーベル賞がらみである。
三島由紀夫や石原慎太郎もかって文学者であった。
 
カナリアにもいろいろある。
 

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