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2014.12.31

今年読んだ本20冊

私は2週間おきに必ず図書館に行く。
借りた本を返すためだが、それにも増して妻からの圧力である。
彼女は読む本が無くなると”借りてこい””買ってこい”とうるさくて仕方がない。
自分では決して行かない、本を指定するでもない、とにかく宛がわれた本の中から面白そうなのを素早く読み上げる。私より早い。
鑑賞眼は結構鋭い。私は彼女がダメを出した本は読まない。

年間25回行って平均6冊借りるから計150冊。
私が読むのはこのうち60%、90冊くらいである。

借りた本は図書館の貸出票が残っている。
買うのは殆どAmazonだから(この辺りには大きな書店が無いので)、購入履歴がのこっている。
その中からベスト10を選ぼうと思ったが、読んだかどうかさえ忘れてしまうような呆け脳なので選ぶことは不可能であった。
記憶に残っている20冊を記録しておこう。(順不同)
クルージング本もガーデニング本もリストに無くなっていることに感慨がある。

芭蕉のうちなる西行  目崎徳衛
謎の独立国家ソマリランド  高野秀行
北からの世界史  宮崎正勝
ホース・ソルジャー  ダグ・スタントン
千島列島をめぐる日本とロシア  秋月俊幸
屋根屋  村田喜代子
三陸の海  津村節子
八日目の蝉  角田光代
ラスト・バタリオン―蒋介石と日本軍人たち  野嶋剛
東京プリズン  赤坂真理
絶海にあらず―藤原純友  北方謙三
賭博師たち  伊集院静
異国合戦―蒙古襲来異聞  岩井三四二
炎帝花山  萩耿介
和歌のルール  渡辺泰明ほか
清冽―詩人茨木のり子の肖像  後藤正治
現代秀歌  永田和宏
言葉と歩く日記  多和田葉子
後水尾天皇  熊倉功夫
〇葬  島田裕巳

皆さま、よいお年をお迎えください。

 

2014.12.18

鷹匠の話

昨日、私がライブラリーボランテイアグループの忘年ランチ会から帰ったら妻が異常に興奮している。
「何があったと思う?」と言って写真を並べた。
 



​隼が鳩を仕留めたところ
 



​アカショウビンが蛙を咥えている
 



三光鳥 「ツキヒホシ ホイホイホイ」と啼く
 


突然鷹匠の夫婦がやってきたのだそうだ。
鷹が獲物を獲って飛び立った時、行先が判り易いように尾羽に目印を付ける。
これまで水牛の角の細片を付けていたが、これを琥珀にしてみたい。
と言ってネットで見付けて「琥珀磨き師」の妻を訪ねて来たのである。いかにも山の男らしい風貌であったという。
細工するのはご本人がやるというので、とりあえず琥珀は選んでもらった。

彼はたくさんの写真を持っていた。写真が趣味なのかもしれない。商売なのかもしれない。A4サイズのプリントを15センチ厚さほど持っていて見せてくれたのだが、これに妻が昂奮した。
彼女は鳥に関心が強く、見せられる写真の殆どの鳥の名前を言い当てた。
またくまがい草やけまん草など山野草の写真も多くあったのを、これもよく名前を知っていた。
それで鷹匠もすっかり喜んで話が弾んだらしい。例えばみさごは飛んでいる燕を捕食するとか・・・
いくらでもあげると云うのでここに上げたような写真を何枚かもらった。
「琥珀磨き」の看板を上げていればこそこんな出会いもあると、妻はご機嫌であった。


奥さんは旦那の行動に辟易しているらしく、「これ1枚撮るのに1日かかったのですよ」と愚痴をこぼした。
ご本人の趣味はお茶だそうで、妻が長く東京の業躰先生に就いて転勤先の神戸や静岡からも通った話をしたら大層尊敬してくれたという。

妻がお茶を辞めたのは「膝を痛めたから」と自分で納得しているが、本当は私が季節季節の着物を買ってやれなかったからだと私は思っている。

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2014.12.13

自彊術

5月頃から週に1回、自彊術に通っている。
妻がその1年前から始めたのだが、私にもやれと煩いので従った。
私も妻も正座は辛いので風呂場の腰掛を使っている。それが許される。
 
自彊術という文字からなんとなく道術めくが、現在の有り様は健全な健康体操である。
開祖の中井房五郎氏は明治10年頃四国に生まれ、13才で鳥を追って山に迷い、そのまま4年間を山に暮し超能力を身に付けたと言われる。
不思議な治癒力を発揮するので評判になり、後援者も付いて大正5年に「自彊術」と名付けて巣鴨に道場を開いた。
有力な後援者や学者や文部省の後押しがあって昭和初期には大ブームとなり、日本初の国民体操として全国に支部が置かれるほどとなったが、戦後は忘れられた存在となる。
 
これは自彊術の<第1動>という「下腹をかかえて肩を上げ下げする体操」で、首をすくめてストンと落とすなんとなくユーモラスな動きで、自彊術の象徴のようになっている。
 
実は、先日妻の従兄弟2人が来宅した際たまたま自彊術の話になったところ、2人がいきなり手を組んで首をすくめてストンと始めたので吃驚もし、皆で大笑いをしたのであった。
2人とも70代80代で、米で大学教授や国連職員を務めた国際派なのだが昭和初期のブームの頃に親にやらされたものであろう。
 
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教室は近くのコミセンで、毎回20人ほどの老人が集まる。
男性は3人である。
 
 伊豆大島
 利島、新島、式根島
 
体操をしながら眼の前にこの眺めである。至福である。
 
利島新島のずっと先に三宅島がある。そしてその先に御蔵島がある。見えない。
三宅、御蔵には伊豆からの航路は無い。竹芝からの八丈航路の船が寄るのである。
3人の男性の1人90翁が昔御蔵島の工事現場に1年間住んだと聞いて心底驚いた。人口数十人の島である。
 

2014.12.04

いろんなカナリア

「未来の記憶は蘭のなかで作られる」(星野智幸 岩波書店 2014/11)という本を読んだ。
たまたま図書館の新刊棚に並んでいたので手に取った。
この人の本は初めて読む。小説ではなく、その時々新聞や雑誌に発表したエッセイ集であった。
 
最初に出ていたのは「耳のメガネ」。
著者が突然難聴になり、いろいろあって、随分抵抗のあった補聴器を付けるのだが、結局<耳のメガネだ>と納得する話である。
実は私も年令なりに耳が遠くなっている。妻がそれを強く指摘する。そして<補聴器を使うのは早い方がいい。早く慣れた方がいい>と主張する。
私はそれほどでもないと思うのだが、妻に言い負かされて耳鼻科に行く。聴力検査では<それほどでもない>と言われる。
こうして毎年聴力検査を受けている。
 
次は著者がメキシコ旅行に行く話である。行く理由は自分の亡命先の下見である。
著者は日本はだんだん住み難くなって、いずれ亡命しなければならなくなると考えている。
集団的自衛権の行使、特定秘密保護法制定の動きなどからそう考えるのである。
 
へえ~っ、そこまで考える人間がいるのかと感動した。
そしてこの人は炭坑のカナリアだなと思った。
文学者はかくあらねばならない。これこそ文学者の存在理由だろう。
 
しかし待てよ、と思った。
日本で文学者といえば大江健三郎とか村上春樹のノーベル賞がらみである。
三島由紀夫や石原慎太郎もかって文学者であった。
 
カナリアにもいろいろある。
 

続-高倉健さん

中国で高倉健の死去が大きく報じられ、中国外務省、共産党が哀悼の意を表したという。
文化大革命( ~1976)後、最初に封切られた外国映画が「君よ憤怒の河を渉れ」だったという。
ちょうど改革開放路線に切り替わる時期だ。
 
それにしても現下の情勢の中で中国外務省、共産党が哀悼の意を表するとは大変なことだ。
 
中国では「憤怒」と「幸福の黄色いハンカチ」が人気があるのだそうだ。
残念なことに私のこのどちらも観ていない。
 
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映画「あなたへ」を観た。
いきなり白髪の、皺だらけの、首が少し曲がって、ギッコギッコとぎごちなく歩く老人が出てきてびっくりした。
私は高倉健の映画を観るのはこれが初めてだったから、この老人が演技なのか地なのか判らなかった。
多くの人はその姿に若い頃の颯爽としたイメージをくっ付けて観るのだろう。
 
私は自分が20才の頃にジャン・ギャバンやイブ・モンタンを観たのを思い出した。当時の私には2人とも随分お爺さんに見えたものだ。
初めて観る高倉健は初めて観たジャン・ギャバンみたいだった。
 
この高倉健さんがわが国の文化勲章をもらい、中国の外務省から哀悼の意を表された。
偉いものだ。それが世間の見方だろう。
 
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私ははぐれ者らしい。
しかし仕方がない。それでやっていくより仕方がない。

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