« 北極海航路1 | Main | 北極海航路-3 »

2013.12.31

北極海航路-2

ヨーロッパから北極海に入り、ロシア・シベリア海岸からベーリング海峡を抜けて太平洋に出る航路を北東航路と云った。
埋め込み画像 1
北極点中心図

初めて船で北東航路を抜けたのは1879年スエーデンのノルデンショルド率いるヴェガ号(43m、350t、捕鯨船改造の蒸気船)であった。
ヴェガ号はその後横浜に入港し、神戸、長崎に寄ってシンガポール、スエズ運河を経てストックホルムに帰港した。ヴェガ号の成功は横浜から世界に発信された。
神戸滞在中乗員は京都、琵琶湖に遊んだという。当時の日本人はヴェガ号をどのように見たのであろうか。
ちなみに西南戦争(1877年)の2年後である。スエズ開通が1969年、1873年に岩倉使節団一行がスエズを通過している。
埋め込み画像 2
ヴェガ号 350t
 
~~~~~~~~~~~~
北極海は殆ど氷結している海であり、1930年代からはソ連の砕氷船で辛うじて通航を果たしていたがソ連崩壊後はその配置も失われつつあった。
 
しかし近年の地球温暖化により年間4ヵ月程度は通航可能となり、いずれ通年通航可能になるのではないかと言われている。
そのため本格的な航路設定が進められつつある。
名前も「北東航路」から「北極海航路」(NSR Northern Sea Route)と変わった。
 
2009年に商用船が初めてベーリング海峡を通過し、今年は100隻近くになるという。
わが国には昨年LNG船がNSR経由で到着し、今年はナフサのタンカーが入っている。
今年8月、大連からロッテルダム向けの鋼材を積んだ中国船が出航した。
10月にはロシヤからナフサタンカーが韓国に到着した。
 
埋め込み画像 1
 
一瞥してわが国に対する北極海航路の優位は明らかであるが、他にも多くの利点がある。-次回
 
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
樺太生まれの 森下一義

« 北極海航路1 | Main | 北極海航路-3 »

Comments

The comments to this entry are closed.

TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference 北極海航路-2:

« 北極海航路1 | Main | 北極海航路-3 »