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2013.01.25

源氏の薫り

読まなければ良かった。

「源氏の薫り」(尾崎佐江子 求龍堂 1986・8)である。


実は「香りを創る」(塩野秀作)、「伽羅の香」(宮尾登美子)等を読んで<源氏香>を知り、「源氏香之図」のデザイン力に圧倒され、ショックを受けて、ゲーム「平成源氏香占い」を創って発売しようと思い立ったのであった。

要するに源氏香の簡便版である。そしてどうせなら全てに英訳を付けて日本文化の発信ツールにしようと欲張った。


そうなると「源氏香之図」の各柄に対応する源氏各帖のあらすじを書き、英文を付さねばならない。

各帖あらすじはネット上に幾つかあるのである。それをそのまま借用するのは拙いので、幾つかをこね合わせて文体を変え、新しいあらすじを作ることにした。


これがなんとも気の滅入る仕事であった。本質的に剽窃なのだから気分のいいわけがない。まあ源氏ほどの古典だから模写と云えないこともない。いや、どうかな。


そんな最中に「源氏の薫り」を読んだのであった。

参りました。

細部にわたる深い読み込み、広範な傍証・引用、そして格調高い解釈、それを記述する文章の鮮やかな香り!

源氏を読むとはこういうことなんだ!


尾崎左永子の名前を初めて知った。

調べると、1927年生れで東京女子大国語科卒、歌人・随筆家と出ている。

17歳で歌の道に入り佐藤佐太郎に師事、1955年第1回角川短歌賞の最終選考に残った。(この年入選者なし)

その後多くの歌集、随筆を出版、現在は歌誌「星座」の主筆とある。

要するに他人の俸禄を受けたことのない人であった。若いうちはどうして暮していたのだろう?


1927年生れとすると昭和25年頃東京女子大を出たことになる。戦後間もない。国文学部なんて云わない国語科、そして学校に残るでもなかった一学生がこれほどの学識を身に付ける学校であったんだ、東京女子大は。

私は昭和29年の一橋入学である。当時中央線の窓から東女の塔が見えて4年間それを見ながら通った。今思えばあの塔から源氏の薫りが匂い出していたような気がする。


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さてそれでどうするか。

今すぐあらすじのミキシングをする気力は無い。


「平成源氏香占い」、面白いんだけどな。

 

2013.01.19

10年ぶりのウソ

わが庭に10年ぶりにウソがやって来ました!


130119



この首周りのピンク! 間違いなくウソです。

リス害にやられてこの10年以上見ることがなかったのに、やっと来てくれました。

夫婦で大感激しました。
 


わが食堂前の台に、今朝はシジュウカラ、ヤマガラ、ホオジロが来ました。

前の空地でアカハラが地面をつつきました。

そしてウソです。


 


なにかいいことがありそうです。

孫のセンター試験が大当たりかな。

2013.01.14

「源氏香」-草臥れた理由

「源氏香」の紹介をまとめるにどうしてそんなに草臥れたのか、理由を書いておきます。
 
 


1.例えば香を<焚く>のではなくて<炊く>と書くのだと学んだ後、<炷く>があるのを知り、その由来やら用法を調べた。

2.源氏香を調べている途中どこかのサイトで<記録係>のことをそれなりの用語で呼んでいるのを見たのだが、忘れてしまい、いくら探してもその用語が見付からない。

3.その他いろんなことをネットで見かけた一節だけでは駄目だと思いあれこれ確認した。尾崎左永子の「源氏の薫り」が極め付けらしいがまだ入手していない。

4.ネットで探して実際に聞香している場面の写真が極端に少ない。メールに載せたのが殆ど唯一の写真だった。写真に撮るのははしたないとか、そんな感覚があるのだろう。

5.源氏香之図の写真は多く出ているが、切り取って利用するのは結構難しかった。

6.写真はどれもトリミングやサイズ合わせが必要だった。

7.私は「源氏物語は嫌いなので( ああいう色物は好みません )、魅力も有難味も感じない。



源氏物語は嫌いだが源氏香之図のデザイン力は圧倒的だった。これまでCMなどで目にしてきたものだが、その全体と由来や意味を知って驚愕し心を鷲掴みにされた。


追記

妻が今「伽羅の香」を読んでいる。

30年前に三島の業躰(ぎょうてい)先生のお宅で訳も分からずお香を聞かされ、それが当たりで和歌を書いた記憶があるという。

茶道にはお茶席での遊び方があるのだろう。


 

2013.01.13

源氏香

香りの本を読んで「源氏香」を知った。

香道での遊び方の1つだが実に奥が深い。

俄か勉強で知ったばかりで、まだ自分でやったこともないゲームについて諸兄姉に披瀝するのはまこと烏滸がましいが、自分の知識の整理のために書いてみる。


 

西欧の香水やアロマテラピーと日本の香道の違いは、香水・アロマが液体であるのに対して香道では香木を炷いて香りを聞く。

香道では香りを<嗅ぐ>のではなく<聞く>という。

香木を<燃やす><焚く>のではなく<炷く>というらしい。

香木の香りを聞いて鑑賞する<聞香>と、香りを聞き当てる<組香>が香道の2大要素である。「源氏香」は組香の1つである。


 

源氏香の遊び方

1.5種の香木をそれぞれ5包づつ用意する(計25包)。


2.シャッフルして5包を選び、残りは片付ける。

130113_2

3.それぞれ香炉に炷いて順番にまわす。

130113_3


4.あらかじめ配られた紙に香の出を記録する。

  香の名前を当てるのではなく、何番と何番が同じ香であったかを記録する。

130113

  5包がそれぞれ異なれば上図のままである。もし同じ香があればそれを線で結ぶ。

1301124


右図:1番、2番、3番が同じ香りであった。4番と5番はそれぞれであった。

左図:2番と4番5番が同じ香りであった。1番と3番は別であった。


5.名前を付けて提出

  さて自分の香図が出来たら名前を付けて記録係に提出する。

  その名前は形で決まっているのである。

130113_4

  5つの香りの順番の組合せは52通りあるそうだ。たまたま源氏物語54帖と近いので52図のそれぞれに源氏各帖の名前が付けてある。

  自分の香図の形の名前を探して、その名前を書いて提出する。その名前に因む和歌を記入する席もあるそうだ。

  さきほどの右図は「常夏」、左図は「蛍」である。

 


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これだけまとめるのにほとほと草臥れました。
 
 

 
 

2013.01.11

「伽羅の香」

先に塩野君の「香りを創る」を読んで、何冊かの香り関連の本を読んだ。

その1冊が「伽羅の香」(宮尾登美子 中公文庫 初刊1981年)である。


 

昭和の初めから30年頃にかけての、女主人公本庄葵の物語である。

三重県の大きな山林地主の1人娘の葵は結婚して(婿をとって)渋谷に住む。

しかし娘、息子、夫、両親を次々に失い、叔父(夫の父)の勧めで香道を学び始める。

戦中戦後のこととて学ぶ人は殆どいないが、付いた師は斯道の大家であり、それこそ奈良・平安から続く香木を所有しているような人であった。

香道について深い薀蓄があり、香道にまつわる多くのことが語られる。

問香、組香・・・、読みながら読者は多くを学ぶ。

勿論源氏香も出てくるが、香道は源氏香に止まるものではない。

それにしてもここに出る香道は非常に高尚で格式高く、費用の点から言ってとても庶民に関われるものではない。山林地主としての主人公の財力あってこその進行である。

著者宮尾登美子は作家としてまだ名の出る前、香道に関心をもって100枚程度の作品を書いたという。しかしどの出版社に送っても没であった。

やっと名の出たのち、主人公のモデルとなる人物の存在を知った。だがその人はもう亡くなっていた。

この人を知って宮尾はこの著作を書くことが出来た。


 


すでに大家となった宮尾に芸道ものは多いが、本書には特に思い入れが深いようだ。

 

2013.01.08

「長生きが地球を滅ぼす」を読んだ

「長生きが地球を滅ぼす」(本川達雄 文芸社文庫 2012・8)を読んだ。

表題から社会科学的な論述かと思ったら、さにあらず生物科学的な論考であった。

 


例えば各動物の寿命を調べる。

ネズミの心臓1拍(心周期)は0.1秒、ヒトは1秒、ゾウは3秒だそうだ。そしてどれも15億回打って寿命を終える。

また動物の寿命は体重に比例するそうだ。

このあたり、酸素消費量とか標準代謝率とかアロメトリー式とか、いろいろ云われるが私には判らない。

対数を使ってきれいな表を見せられるがこれもよく判らない。

同じ体重の変温動物と恒温動物ではエネルギー消費が15倍違うそうである。恒温動物はそのエネルギーで筋肉を作り、早い動作を得て、餌の獲得が容易になり、種族が増えた。

現代の人間は同じ体重の恒温動物の44倍のエネルギーを使っているそうだ。そのエネルギーで恒温環境を作り、安楽な生活を獲得し寿命を延ばしている。戦前の農家の主婦が自分の自由になる時間は15分だった。現在は4時間である。この時間をエネルギーであがなっている。

著者によれば医術もエネルギー投入の結果だそうだ。

人間の寿命は、縄文時代30年、江戸時代45年、昭和20年代後半60年、現代80年である。

縄文時代からの50年の伸びはエネルギーの投入による。そのエネルギーは石油など天然資源を使う限り後代からの前借であり、多大な環境破壊を伴っている。

人間は前借で寿命を延ばして何をしようとしているのか。

著者はこの問いに答えるため、俄か勉強でニーチェ、カント、フッサールを読む。さらには道元「正法眼蔵」の時間論にまで踏み込む。

ニュートンの物理的時間とは別に生物的時間があるのではないかという。
 

 

延びた寿命をどうするのかについて、納得できる結論ではない。

男やもめ3題

どれもリタイア後伊豆に移住した夫婦の話である。


 
 


ケース1.

2,3年前、近所の空き別荘に引退夫婦が移り住んだ。

まず玄関前のアプローチに鉄平石を貼り始めた。見ると地面の傾斜に合わせて石を敷いている。<そうではないですよ。石そのものは水平に貼るのですよ。>と余程教えてやりたかったが、口を閉ざした。自分でもおかしいと思ったらしく何度か手直ししていたが、やっと水平に貼って今は落ち着いている。

庭に芝生を貼り、花壇を作り出した。頑張ってよくやる。しかし、花壇はそれじゃ駄目だ、と言いたいが黙っていた。

花木らしい苗を植えている。そんなに建物に近くては駄目、と言いたいが黙っていた。

石のテーブルセットを作った。天板と椅子は石なのだが、天板の下の足が丸太である。<それじゃ足が数年で腐るよ。重機が入らなくなって天板を持ち上げられないよ。>と言いたかったがやめた。

屋根と庭のモミの木にイルミネーションを取り付けた。

庭の中央にパン焼き窯を作った。  云うことは無い。


 
 

最近隣人の話では奥さんが逃げ出して帰って来ないそうだ。


 


ケース2.

有名会社で活躍した人らしい。海外経験も長く、子供たちも海外暮らしである。

伊豆に居を定め庭づくりを始めた。

ハーブや自分が海外で見染めたある樹木Sを植える。熱をこめて語る。あちこちの団体に首を突っ込んで樹木Sの伝道師の如くである。

そのうちにパン焼き窯を作った。これまた熱心にパン焼きのシンパ作りに勤しむ。大層なエネルギーであった。

聞くところによると奥さんが逃げ出したという。離婚したらしい。非常に綺麗な人だった。


 
 


ケース3.

ご夫婦で庭づくりをしていた。大きな石を2人で動かすなど、いい庭になっていた。ご主人は銀行員だったとかいう。

そのうちにガーデニングをやめてしまった。

奥さんは「パン焼き窯を作ってパン屋をやりたい。」と言っていたが、そのうち囲碁を始め、ネット対局に打ち込み、その国際大会に参加したりしていた。また乗馬が趣味で時々乗馬クラブに行っていた。

ご主人がパチンコに凝って車に乗って行ってしまうので、自分はどこにも出られないとこぼしていた。伊豆では車がないと何処へも行けない。


 


このところずっと奥さんが居ない。


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共通項はガーデニングとパン焼きか。   ???

 


2013.01.03

単独無寄港世界一周ヨットレース

新年おめでとうございます。

今年もよろしくお願い致します。

1月は夢の島マリーナでの32F艇マリンサーベイ、横浜ベイサイドでのサーベイ講習会と、いつになくマリンづいています。

ヴァンデグローブ単独無寄港世界一周ヨットレースのTop艇、Francois Gabartが1月1日の夕方ホーン岬を回ったそうです。出港から52日目。あと30日あまりでゴールでしょう。


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