「百年法」(山田宗樹)を読んだ
「百年法」上下(山田宗樹 角川書店 2012・7)を読んだ。
<人間の生命を100年間で区切る>という、ちょうど私の関心分野のテーマなので大いに期待して読んだ。
~~~~~~~~~~~~
人類は<ヒト不老化技術=HAVI>を手に入れる。その施術を受けた人間は老いることなく永遠の生命を得る。ただし国連は導入国に対し、<受術者は100年で死ななければならない>との国内法を整備することを義務付けた。
日本も当然HAVIを受け入れた。
やがて年月が経ち、100年の期限を迎える人々が出始めた。そして百年法の撤廃或いは凍結を求める声が高くなった。
時の総理大臣は百年法の凍結について国民投票を行うことにした。完全な大衆迎合である。
投票の結果は凍結賛成が多数であった。
これでは国が保たないと憂慮した官僚Yは、傀儡Uを担いでクーデターを起こす。
Uは大統領となり、Yは首相となった。百年法凍結は撤廃され、処理施設<ターミナルセンター>が稼働を始めた。
ただし、有力者や政治家など特に功労あった人間に対し執行を猶予する権限が大統領に与えられていた。
その権限はやがて絶大な威力を発揮する。大統領は独裁者となってゆく。
一方、百年法の適用を逃れて身を隠したアウトローの集団が発生する。
やがて ・・・
~~~~~~~~~~~~
作家というのはたいしたものだ。よくもまあこんな筋書きを考え、しこしこと書いて売れる書物に作り上げるものだ。
感服する。
地球上70億の人間をどうしたらいいのかを考える書物ではないが、真面目な力作である。
∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞∞
私の提言―高齢化社会対策として
《出生児に直ちに選挙権を与える》
《未成年者の選挙権行使権を母親に与える》
《鎮痛薬(自殺薬)の規制を緩和する》 黒潮丸こと森下一義
« 「フレップ・トリップ」(北原白秋)を読んだ | Main | キンドルが届いた »
The comments to this entry are closed.
Comments