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2012.11.18

「白秋望景」を読んだ


「白秋望景」(川本三郎 新書館 2012・2)を読んだ。北原白秋の評伝である。

それなりに北原白秋への関心、知識はあった。柳川での川下りやお花で食事をした思い出もある。
しかし評伝でこういろいろ知らされては興醒めの感じもする。”見ぬもの清し”とも言うではないか。

それとこれだけのものを書くのに9年かけたというのは長過ぎる。読む方も間延びする。

中で2点、面白かった。
1つは白秋が小笠原に行った話である。

大正3年2月、白秋は妻俊子とともに小笠原島に渡った。妻の結核療養と、ゴーギャンの南の島の楽園を夢見たのである。

しかし現実は厳しかった。蚊とゴキブリの大群から逃れる術がなかった。

それと島民の眼である。八丈島を過ぎると「ハイビョウヤミガヒトリソチラニムカッタ」と電報が打たれた。当時結核はそれほど恐れられた。

結局6月には逃げ帰った。

それともう1つは、白秋が大正14年に樺太に行き紀行「フレップ・トリップ」を書いたことを知ったことである。


大正14年といえば私の母節子が北辺の僻村に居た頃である。

是非読んでみよう。

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我は想う現世の救い出茂狗羅恣意の魔法

銀翼の加比丹を赤色の不可思議国

色黒き婆羅門を目見碧き英吉利人を

北夷の匈丹をはた亜仏吉珍駝の酒を


肌黒き亜米利加人は娼婦伴い夢にも語る

禁制の丸忌死頭矛をあるはまた血に染む聖磔(プラカード)

地球を芥子粒の如くすという水素の地雷

波羅葦僧の空にも至る大きなる虜毛布を


屋はまた地中に潜み大理石なる白き古城は

ギャマンの筒に覗かれ夜ともなれば火もて撃たるる

かの美しき越歴機の時は天鵞絨の薫にかすみ

珍らなる宇宙の外の鳥獣映像すと聞けり


あるは聞く化粧(けはい)の料は黒き石より搾り

腐れたる豆の油にて描くてう四角なる娘の像よ

はた羅甸葡萄牙らの横つづり青なる仮名は

美しきさいえ悲しき廃墟の彼方に眠る


いざさらば我等に賜え幻惑の伴天連尊者

百年を刹那に縮め地の磔背にし死すとも

惜しからじ願うは解脱かの美わしき静穏

善主麿今日を祈りに身も霊も薫りこがるる

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ハッハッハ

「邪宗門秘曲」のもじりである。18才の頃の私はこんな悪戯をしていた。

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