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2012.02.10

東電値上げとアラムコ格差

今時「アラムコ格差」と言っても意味の分かる人は国民の5%もいないだろう。

1970年代、OPECが急激に力をつけ原油の生産調整と急激な値上を行い、原油価格は10倍にも20倍にも跳ね上がり、供給は削減されて日本の社会はパニックに陥った。世にいう「石油ショック」である。
この混乱は数次にわたり10数年続いた。

1979年頃、サウジアラビアは極端な生産調整と値上げに反対して穏健?な態度をとった。
価格についてOPECに従わず独自の建値を打ち出した。
サウジの石油生産を行っていたアラムコは系列のエクソン、モービル、カルテックスにその安い原油を供給した。日本でいえばエッソ、モービル、日石カルテックスである。

ここに至り日本の石油会社の原油調達コストは上記3社のアラムコグループとその他の各社(共同石油、出光、丸善、大協、シェルなど)確然と差が付いた。
今となっては幾らの差であったか記憶も確かではないが、キロリットル3万円程度の重油価格に対し3000円程度ではなかっただろうか。

この差を我々の合理化で埋めることは不可能であった。
必然的に値上げをお願いせざるを得ない。つまりアラムコGとその他Gと同一の商品を、一物二価で買ってもらうお願いをせざるを得なかったのである。

石油ショック直後のこととて政府の監視は厳しく、アラムコGとて高く売ることは出来ない。またアラムコGのシェア30%を増やすほどの供給増もなかったが・・・
需要家側も油断の恐怖を味わった直後であり、うかつな発言は出来ない。それにしてもみすみす高いものを買うのはいかがなものかの思いもあった。

このアラムコ格差は2年ほど続いた。
あんなに厳しい、辛い、切ない価格折衝をしたことがない。いかんせん、歴然たるコスト差を背にして相手と戦えないのだ。

いま東電の値上げ発表にあたり、あの時の価格折衝を思うのである。
値上げで泣いてみろ。


 

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