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2011.09.08

「いねむり先生」を読んだ

O 兄
体調は如何ですか。

「いねむり先生」(伊集院静 集英社 2011・4刊)を読んだ。
伊東図書館に5月に入ってからやっと順番がきて借りられた。
貴兄はもう読んだかどうか知らないが、ちょっとだけ感想を書こう。

これは伊集院静と色川武大(=阿佐田哲也)との交友録?である。
いや、交遊録といったら伊集院が怒るだろう、ずっと年若の”ともだち”だった伊集院の色川に対する哀悼の辞である。

色川=阿佐田については今さら言うまでもあるまい。
私は学生時代から50才頃まで麻雀に淫していたから、阿佐田哲也の麻雀小説、博打小説に惑溺したものだ。
世の中の男がみんな熱中しただろう。
そして色川はまた別の顔を見せた。

伊集院は夏目雅子を癌で喪ってから心乱れ、アル中にもなる。
そして立ち直りかけた頃、最晩年?の色川と知り合い、奇妙な交情が始まる。
お読みあれ。

ここで色川=阿佐田を論じない。テーマは伊集院である。
伊集院静は昨年「お父やんとオジサン」を発表した。
伊集院は在日である。父親は戦後山口県防府で海運会社を起こし成功する。
父の妻(伊集院の母)に弟がいた。つまり伊集院のオジサンである。戦時中、剣道の選手として天覧試合に出るほどの凛々しいオジサンであった。

戦後朝鮮韓国が独立する。オジサンは帰国して祖国に尽くしたいと希う。父およびオジサンの故郷は昨年北朝鮮が砲撃したヨンピョン島の近くの南鮮側である。
朝鮮戦争が始まる。オジサンは雄々しくも理想に燃えて北朝鮮軍側で戦うが、戦後韓国軍および民衆に追われる身となる。遂には実家の鶏小屋の下に穴を掘って隠れ棲む。見付かれば殺される。

妻は夫に「何とかしてくれ」と泣きつく。
夫(お父やん)は快速船を購入して脱出船を仕立て、身内の仲間と密航し救出の手立てを整える。勿論金品ダイヤモンドを携えて・・・
「お父やんとオジサン」はこういう物語である。

伊集院静はこういう父の1人息子である。
家業を継がないと云った時の父の怒りはすさまじかった。
しかし意思を通した息子は、やがて日本一の美女夏目雅子を射止める。

「いねむり先生」を読むなら、先に「お父やんとオジサン」を読むことをお勧めします。

 

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