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2009.10.12

「寿命論」を読む

「寿命論」(高木由臣 NHKブックス 09年1月刊 970円)を読んだ。

著者は発生遺伝学、細胞生物学専攻の理学博士、奈良女子大名誉教授。

題名に釣られて読んだが、この本は文学、人文科学、社会科学とは関係のない、まさに<発生遺伝学、細胞生物学>の世界の本だった。

この本の<はじめに>はこう始まる。
~~~~~~生の彼方に死があること、生が誕生と死で縁取られていることは、誰にとっても自明のことに思われる。私たちの生には寿命がある。寿命について疑問があるとすれば、なぜ死を迎えなければいけないのか、なぜ生の期間が生物ごとにほぼ定まっているのかといったことだろう。しかし生物が寿命をもつのは当たり前と思う私たちの常識も、人間が1人として例外なく寿命をもつこと、私たちの身近な動物たちもやはり例外なく寿命をもつことから感じる経験則である。~~~~~~

ここまではいいのだ。これを読んで面白そうだと買ったのだ。
しかしここから先がいけない。私なんかにはとてもついていけない。

<1961年、ヒトの皮膚細胞には約50回という分裂限界があるという衝撃的な論文が発表された。ヘイフリック限界という。>
<原核細胞から真核細胞という細胞の進化が、分裂性細胞から非分裂性細胞という死を内包するものになった。>
<個体の自己同一性は無性生殖(二分裂)の継続によって保たれる。したがって誕生と死という概念は、無性生殖の永続性を喪失した真核生物に特有なものである。>
こんな調子ならまだいいのだが、世界で発表される論文や、自分や研究室の学生・院生の実験結果を図表で示され、どうやら世界の最先端の部分の議論を開陳されるともういけない。
半分以上は眠り読みをしたのであった。

こんな本を読むのも、私なりの三途の川への旅の準備であるか。

 

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