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2009.08.03

須賀敦子と森まゆみ

森まゆみの本は今度の「女三人のシベリア鉄道」を含めて3冊しか読んでいないのに、どうして私が「書かなければ食えない覚悟・・・」などと彼女のことを知っていたのだろうか、我ながら不思議に思った。
そして微かに、彼女が須賀敦子のことを書いた文章があったことを思い出した。

私は須賀敦子について何も書けない。
なにしろ、彼女の文章を数行読んだだけで、もう次を読み進められない。
あまりに格調高く、素敵な比喩に満ちた、香気溢れる美しい文章に接すると、数行でもう胸が一杯になって、それを味わいつくすまで次の文章に取り掛かり飲み込むことが出来ないのである。そして味わい尽くすことなど、とても出来ないのである。

須賀敦子の殆ど全著作を持っている。
全集も発行されたが、全集を買う必要がないほど持っている。
その中の1冊に、「文芸別冊-追悼特集・須賀敦子」があって、そこに森まゆみが「評伝・心に伽藍を建てるひと-須賀敦子の人生」を書いていたのであった。

須賀と森は20才も違う。たまたま同じ新聞の書評委員として知り合い、友達になった。
安アパートに住み、3人の小学生を育てる森の生活を須賀が案じる関係であった。
この評伝で、私は森の生活を知ったのだった。

須賀の突然の死(98/3)は多くの人にとって大きなショックであったから、この追悼特集号(98/11)も大きな関心を集めたに違いない。
多くの弔辞が集まっている。
そして森まゆみが選ばれて<評伝>を書いた。22ページの力作である。
森にとって、心の重い、荷の重い仕事であったろうが、彼女はそれをこなした。
そして今の彼女がある。

だからといって、須賀と森が同列の作家であるとは思わないが。

 

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