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2009.03.15

社会的排除と年金生活者

「社会的排除」(岩田正美 有斐閣 08/12刊 1500円)を読んだ。
年寄りがこんな本を読んでどうということは何もないが、少し利口になったかとは思う。

もとより社会的な成語だから、それなりの歴史や地域性を抱え、扱う人によって理解も用法も異なる。
しかし著者は、貧困、差別、失業、ホームレス、ネットカフェ難民、シングルマザー、障害者、多重債務者、外国人労働者など、現代社会の負の側面を考えるに際し、社会的排除(Social Exclusion)という用語の使用がかなり有効であると言っている。

社会的排除は、社会的包摂(Social Inclusion)と対語になっているようだが、包摂の方はまだまだ弱いようだ。
特に現在の日本では社会的包摂はまるでなっていない。
例えば雇用保険は生活保護とまったくリンクしていない。社会全体として雇用の量が労働の量に対して不足しているのいうのにだ。
シングルマザーは子供の養育が生活の主目的なのに、養育をさておいて働かなければ託児所も利用出来ない。絶対的矛盾である。

現代日本のセーフテイネットは次のようなものであろうか。
厚生年金。国民年金。健康保険。雇用保険。生活保護。障害者支援。育児支援など。
社会的排除を受けてきた人たちはこの殆どの網から漏れる。安定した雇用を長く受け、保険金を納付しなければセーフテイネットの対象にならない。それが正しいとされてきた。
彼らは納付を続けられなかった。
生活保護だけは例外のように見えるが、実際的には65歳以下は対象とみなされず、保護が必要な人への給付率は20%とOECD諸国の中で最低という。

老齢年金を受給中の年寄りばかりがのうのうと安逸に暮らしている社会は正常ではない。
それも子や孫の世代への借金を増やしながら。

 

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