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2009.02.15

トンチン年金-世代間戦争10

長生きした者が掛け金をみんなもらえる保険があったなと、ふと思い出した。
さてその名前が出てこない。何という保険だったか?
<生き残り 保険><長生き 保険>などいろいろ検索してみるが出てこない。
保険会社の生き残り競争とか、そんなのばかりだ。
それでもずっと裾の方で<トンチン保険>の文字が眼に入った。
そうだ、これだ。これだ。

わが同輩の諸兄は既にトンチン保険についてはご存知だろうから、その説明はしない。

トンチン保険で検索してみると、2007年の初め頃だいぶ話題になったらしい。
どうも経済産業省と生保業界で動きがあったようだ。
類似の商品が既に売り出されてもいるようだ。

目に付いた記事から2篇引用する。

~~~Kimio’s Diary 07・2・24 <トンチン年金 長生きリスクへの対応>~~~
リタイアした老齢者にとって最大のリスクは、突然死ぬことでも、大病を患うことでもなく、思いがけずに健康で長生きしてしまうことなのだ。
早めに突然死ぬことは遺族に財産を多目に残す可能性が大ということであり、最も好ましいことかもしれない。病気にしたって、あるだけの貯金で対応するしかないのだ。高額の治療費をかけて1日でも長生きしたいとは思わないのではないか。医療保険に加入するのもあまり意味がないように思う。貯金を右から左に動かすようなものだ。
それに対して、思いがけずに長生きするかもしれないリスクは深刻だ。先ず計画が立ちにくい。70で死ぬのか、はたまた90まで生きるのか。さすれば、蓄えは温存せざるを得ない。その結果、元気なうちにやっておきたいことにも資金は回せない。
トンチン年金的な保険がもしできれば、少ない資金で長生きリスクに対応できそうに思える。早く死ぬ人はお金を寄付してくれるようなものだから。


~~~阿修羅! 07・1・23 <日本の公的年金制度の正体>~~~
“トンチン年金”は、同じ世代での『賭博』だが、日本の“公的年金制度”は、世代間で融通してる。
そう“トンチン年金”を、毎年清算しているのだ。
結局、毎年「生き残った」(何割かの)年寄りに、残りの何割かが、(トンチン)年金を支払うのだ。
…年金を支払う人間と受け取る人間の「割合」をどう定めるかが問題で、それで受給額が決まる。
“長生き順”に、何歳から年金を貰うか、5年毎に計算して「決める」だけで良い。少し上乗せして、自分たち(OB)が、年金資金を自由に使えれば、さらに良い。そう考えていたのではないか?
あとは制度を複雑にして『賭博』と分からなくすれば…

…10人が支払い、3人が受け取る、というように「割合」さえ決めとけば、日本人が死滅しない限り公的年金制度が、崩壊することはないと、役人達は信じていたようだ。
あくまで“サバイバルゲーム”と悟られないように公的年金を『世代間の助け合い』と美化していう。 …まさか“長生きゲーム”とは、いえないからね。
同じ世代の“トンチン年金”は『賭博』だけれど、違う世代での“長生きゲーム”は、『ねずみ講』と同じで、後から入った人が不利。『詐欺』に近い。

途中でやめたら『損をする』ように、65歳まで25年かけないと、年金が貰えないようにする。 …先に死んだら当たり前だが『年金』は貰えない。“長生き順”に年金を受け取れば、潰れっこない。そういう風に、お役人様は『作ったはず』だった。“トンチン年金”と同じ“長生きゲーム”だった。

しかし、新規参入者(生まれてくる子供)が減り、賭博の敗者(死ぬはずの年寄り)が、生き残った。
“長生きゲーム”は、勝者ばかりになった。 5年毎に受け取れる年齢を見直せば、崩壊しない。はずだったが。どうも、雲行きが、怪しくなった。 支払う世代と受け取る世代が、固定してしまった。“長生きゲーム”は、前の世代が、長生きになっていつも勝ち続け“賭博”が成立しなくなったのだ。 『ねずみ講』が永遠に続くと、信じたのだろうか?

日本の公的年金制度の正体が“トンチン保険”だと誰の目にも、明らかになる日は近い。

 

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