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2008.09.29

庭の採点-現状と実例

<庭の採点>について最初に宣言したのは2007年2月だった。
「庭を採点する1」
「庭を採点する2」
それ以来、常に脳裏にはあるのだが、さてどのようにしようかと考えるとたちまちそのトバ口で止まってしまう。
あまりに難しく、いろんな要素があり過ぎて、殆ど思考停止の状態になってしまうのだ。
庭の歴史を、規模を、デザインを、管理状況を、ホスピタリテイ・・・を、どう採点すればいいのか。

採点といえば数値化ということであろう。
数値とは、絶対値か?
いや? さにあらず?

例えば私が金閣寺に90点を付けたとする。
<90>は絶対値である。
しかし私が「金閣寺は90点」とだけ言っても何の意味もない。
「銀閣寺は80点。天龍寺は95点。」と言って初めて<90はその間か・・・>の意味を持つ。
とすれば数値化とは相対比較のことか?
この辺りのことは数学か哲学できちんと説明されているのだろうが、私は門外漢で不案内である。

しかし<相対比較>で閃いたものがあった。
<そうだ。採点、採点と方法論ばかり考える前に、何に採点するのか対象のリストを作ったらどうか。そのうちにいい考えが浮かぶかもしれない。>
なんだかちょっと気が楽になった。リスト作りに気が向くようになった。

多少気楽になったとはいえ、それはそれで大作業である。
総数でどれほどになるのか。国や地方自治体の指定史跡や名勝庭園をベースにして、あと何を加えるかによるが500ヶ所程度か。
データベースとしての項目は20を超しそうだ。
そうだ、検索機能が必要だ。500件ものリストをベタに並べても使いようがない。
例えば「東京以外にある、江戸期の大名庭園」の検索が出来るようにしたい。しかし私にそれを作る能力はない。どうしたらいいか。

現在、この段階である。

~~~~~~
庭園リストを作ろうとして気付いたことだが、ネット上に「建物探訪」のサイトはたくさんあるのに「庭園巡り」のサイトは殆どないのである。
例:「洋館探訪リンク集」
庭園巡りリストで私が知るのは、「ほあぐらさんの日本庭園紀行」だけである。

と思っているところに今回<庭の採点>をしているページを見付けたのだ!何たる僥倖!
しかも自分が見届けた庭ばかり150ヶ所のリストである。
1庭2行の記述で、ABC・・の5段階採点だが、それにしても庭の採点を初めて見た!大いに力づけられた。
作者は愛媛県八幡浜の造園屋さんである。寺崎正人さん、32才。若いから出来たことだろう。
「庭園見学リスト・自己評価メモ」


2008.09.27

メラミン騒動

メラミンで騒がしい。

メラミン樹脂の食器があった。
”ある”と言うべきか。

適度な重量感があり、表面の感触も良く、割れず、ヨット上の食器として最適であった。
ヨットの上では割れるのが一番困る。それで怪我をしたら戦闘力が何割も低下する。
軽くて風に飛ばされるようなのも困る。
メラミンは最適であった。

ところが20年ほど前か、メラミン樹脂は毒性があって食器として不可になった。
それ以降不自由な思いをしてきた。
陶器は割れるし、やや重過ぎる。
ポリスチはペケ、ポリエチはやや軽く感触もメラミンより悪い。

ところがである。
中国メラミン入り牛乳騒動で、メラミン食器業界が名乗り出た。
”メラミン食器は安全ですぞ!”

あれ?メラミン食器なんてまだあるのか?
調べてみたら復活していたのであった。
メラミン食器からホルムアルデヒドが滲出して有毒とされたのはマスコミの誤報だったのだそうだ。
いまや復権して堂々と売られているらしい。

メラミン騒動のおかげで食器の選択肢が増えた。

 

2008.09.20

花仕事のこと

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求人・求職の対象となる花仕事について調べてみたことがある。

・花屋、ガーデンセンターなど花を扱う接客、販売
・ブーケ作り、フラワーアレンジなど花に付加価値をつける
・ブライダルやイベント会場などの装花、設営、運搬
・花関連教室
・貸し鉢業
・花生産現場
など、いろいろあるが、花を植える仕事の求人・求職はない。

日本では通常花植えを依頼する先は植木職人だろうが、植木屋は花のことをまったく知らない。
植木屋の修行課程は重機の免許取得ばかりで、花の植栽はカリキュラムにない。
イギリスでは個人の庭で月に数回ガーデナーに来てもらう習慣があるが、日本にはそういうガーデナーがいない。

花植えを仕事にしたい人は沢山いるだろう。
花植えを手伝ってもらいたい庭主もたくさんいるだろう。
これのマッチング・サービスが必要だ。

思い立ったら止まらないのが私のサガである。
<花植え人>ネットワーク・サイトを作ってしまった。
こちらをご覧あれ。

一番の問題はビジネスにならないことだった。
ビジネスモデルたり得ない。
しかしまあ一応の形は作った。ぼちぼち反応を見ていこう。
これから10年もすれば、花植え仕事のマッチングはビジネスになるだろう。

  

涼風たって庭仕事

涼風がたって庭事が忙しくなる。
この1週間ほどの間に幾つも重なった。

1.伊豆ガーデニングクラブの下期の行事予定を検討する幹事会をした。
2.懸案だった裏庭の整理をした。
3.箱根仙石原の住人が10数名大挙して伊豆ガーデニングクラブに入会して来た。そんなで、箱根に出かけて<花壇の作り方>の講習会を行った。
4.台風対策あれこれ。
5.いろいろ調整して下期予定および直近行事の通知を作成した。(発信業務は担当幹事に依頼したが、それはそれで大作業だ)

年年歳歳夏は過ぎて秋が来る。

 

2008.09.16

デジタル・デバイド

ケータイのソフトバンクからDMが来た。「10000円商品券プレゼント!」とある。
内容は、「あと1年半で今のケータイは使えなくなる。それで9月中に3Gの機種に変更したら10000円くれる。」というものだ。

以前、ボーダフォンの時代に海外通話のために3G機種に変えようとしたら、海外はいいけど私の現住所では通話不能であることが判って変えなかった。
今回も現住所で3Gが使えるようになったかどうかが問題である。
ソフトバンクの直営ショップでテスト機を借りた。
わが家で受信テストをしたら、なんと「通信圏外です。」と出る。画面のアンテナは勿論1本も立っていない。

そもそも現使用中の2G?でも、アンテナは1本だけで、メールは窓の外に置かないと受発信しない。
田舎暮らしの悲哀である。
しかし135号線と伊豆急線の中間で、駅から歩いて7分。そんなに辺鄙な場所ではないぞ!

頭にきてauのショップに寄ってテスト機を借りた。
わが家で試したら、おお、アンテナ3本だ!感激した。
早速今日行って変更の手続きをしてきた。

 

2008.09.12

庭師が読みとく「作庭記」-小埜雅章

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「作庭記」については以前書いたことがある。 作庭記のこと 

世界最古の造園のマニュアルというのだから、ガーデンデザインに志す者は誰でも心を惹かれる。このレポートはたまたま訪問したNZのアマチュアガーデナーが、この本の英訳に何10枚も付箋を貼って熟読しているのを見て驚いた報告だった。

しかし実際に「作庭記」を見ても、私なんぞには書いてあることがさっぱり判らず、あまり有難くないのであった。

そこに小埜雅章氏の本書が出た。

小埜氏は1947年生まれ。日本庭園の実作者である。庭師である。

小埜氏も「作庭記」や解説本を何度読んでも判らなかったという。実際の庭造りに応用出来ない。

かくして小埜氏の謎解きが始まった。

小埜氏は、<「作庭記」の著者は意図的に平仮名表記と漢字表記を使い分けている、そして平仮名に漢字を当てようとする場合、正解の的を射た「相伝」の漢字と、誤りに陥りやすい漢字の2つを用意している。>という。

そして、<おそらく当時相伝を得るには、文書の所持と、直接の口伝えが必要だったのであろう。>という。

かくして「作庭記」全編にわたって平仮名表記を正しい漢字表記に改め、現代語訳を行った。本書である。

大変な努力であり、精進である。頭が下がる。

ただし私なんぞの素人に役立つ本ではない。次元が違う。

小埜氏は「作庭記」の解説・研究書として次の3冊を挙げて内容にコメントしている。

「作庭記」 田村剛 相模書房 昭和39年

「図解作庭記」 斉藤勝雄 技報堂 昭和41年

「解説山水並野形図・作庭記」 上原敬二編 加島書店 昭和47年

先人のこれだけの書を前にして自説を述べるのだから、小埜氏はきっと口伝の一部に触れることが出来たのだろうと小人は思うのだが、本書にその言及はない。


 

2008.09.07

ブランドとロゴ―セックス・アンド・ザ・シテイ

映画「セックス・アンド・ザ・シテイ」を観た。
「プラダを着た悪魔」の監督が撮った?とかで観る気になった。
あれはファッション誌「ヴォーグ」の名物編集長(実在らしい)に仕えたアシスタントの物語だった。

「セックス・・・」の方はNYに住む仲良し女性4人組の物語である。
いずれもアラフォー。浮気した亭主と別居している女性、養女をもらったら自分が妊娠した女性、立場はいろいろだが仲良しグループである。
主人公のキャリーは売れないライターで独身。冒頭「すべての女性は2つのLを求めてNYにやってくる。LoveのLと、Label(レーベル=日本でいうブランド物か)のLである。」と彼女のナレーションが入る。

そのキャリーが40才直前にして10年間付き合ってきた彼氏と結婚することになる。
浮き浮きの大騒ぎ。
そこへ「ヴォーグ」誌が取材に来た。キャリーをモデルにして<最後の結婚式>の特集記事を組みたいという。
<最後・・>というのは40才が結婚式で輝く最後のチャンスだから。
1流のスタイリスト、1流のカメラマンを揃えて、1流レーベルの結婚衣装を次々にキャリーが着替える。
確かに美しい。映画中の圧巻の部分である。
レーベル=ブランドが判る人にはもっと楽しいだろう。

いろいろあって結婚は直前に壊れる。
失意のキャリー。仕事も出来なくなる。
新聞でアシスタントを募集して雇ったのが地方から出てきたばかりの若い黒人女性ルイーズ。
同郷の仲間とワンルームを3人でシェアしているという。
この娘が有能で、キャリーは次第に復帰していく。
ある日、ルイーズがヴィトンのバッグを提げているのを見てキャリーが咎める。「3人でシェアしているような生活でどうしてヴィトンが持てるの?」
「これ、レンタルなんです。私は今週だけの持ち主。」
やがてルイーズは恋を得て退職することになる。
キャリーはヴィトンのバッグを贈る。
ルイーズは狂喜して涙ぐむ。「これは初めての私だけのヴィトン。」

アラフォー、1流レーベルの衣装、ブランド物のバッグ、どれをとってもNYも東京も女心に変わりはない。
いやソウルも上海も変わりないのであろう。


~~~~~~
それで考えたのだが、ブランドにはロゴが必要だ。
石原和幸は自分のデザインにロゴを入れるべきだ。それでなければ世界には売れない。
以心伝心、不立文字では違う世界には伝わらない。

 

石原和幸のガーデン美術館

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石原和幸の「ガーデン美術館」に行った。

~~~すんぷ夢ひろば~~~
静岡と清水の間に日本平の丘陵がある。北側に国道1号線、海岸沿いの道が久能街道で、石垣イチゴでで有名だ。
丘の上には久能山東照宮があるが、そのずっと下、海岸からちょっと入ったところに「すんぷ夢ひろば」という施設が出来た。
施設の中心は「天下泰平の湯」という所謂温泉施設で、ほかに「駿府町家」と称するショッピングゾーンや、「家康ミュージアム」「すんぷ演芸場」などがある。入湯料は2000円、他もそれぞれ入場料が要る。
今年の6月その一角にガーデンデザイナー石原和幸の「すんぷガーデン美術館」が出来たとTV番組「ソロモン流」で見て、今回行った。

~~~石原和幸~~~
石原和幸については何も知らなかったが、TVによれば長崎出身で、生け花やフラワーアレンジメントなどをやり、花屋の展開をしているうちにガーデンデザインを手掛けるようになり、チェルシー・フラワーショーのガーデンデザイン・コンテストに応募してなんと3年連続で金賞を獲得した人だという。
HP「風花」 http://www.kazahana.com/
「ガーデン美術館」にはその受賞作品が展示されているという。

~~~ガーデン美術館~~~
入場料は500円だった。
入口を入るとちょっとした広場があり、正面に高い緑の壁が立っている。(写真)
この緑が素晴らしい。多肉植物と蔦類で、真夏(9/2)というのに衰えを見せていない。

中門を入るとそこがチェルシー出品作のコーナーだった。2006、7、8年の3つの金メダルと、2004年の銀メダルの作品が据えられていた。
それぞれタタミ3帖ほどの大きさである。
真夏で見るかげないだろうと予想していたのに、さにあらず、多肉植物の壁を多用して活き活きとしていた。
それと透明ガラスの立面に水を流して涼しさを作っていた。
草本も木本も、地面に根を下ろしたものはない。すべて据え物、置き物である。
据えるほどの石は使用されていない。
(後でチェルシーの現場の写真と比較するとここの展示は80%程度に省略されているようだ。現場はもっと小物が飾られている。)

その奥に平屋の建屋があり、中に屋内展示があった。
写真「屋内展示-1」のようなデイスプレイが何ヶ所かと、床の間のような小間の展示が10ヶ所ほどあった。
小間はどれも間口1間もないほどに狭い。
置かれた鉢物も盆栽というには程遠い裾物の寄せ植えで、容器も銘品ではない雑器である。
後ろの壁には脈絡なく小棚が取り付けられ、一輪挿しなどが置かれている。
軸物にも意味がない。

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~~~私の感想~~~
1.チェルシー・フラワーショーが3年連続で金賞を与えた理由は判らない。どこが優れていると見たのか知りたいものだ。
  ただし連続とはいうがそれぞれ部門が違っている。2004年に<シックガーデン>部門で銀、2006年に金をとっている。そして2007年に<シテイガーデン>部門で金、2008年に<アーバンガーデン>部門で金である。けっして<日本庭園>部門ではないのである。
  石原も<日本庭園>を打ち出していない。自ずと和は滲み出ているが、日本庭園を作ろうとはしていない。ここが偉いところだ。
2.小間の展示を見ながら、初めは「一体これは何だ?」と思った。そしてハタと気付いた。これは商品カタログだ!
  寺院や料亭の床の間を狙っていない。和民やベニハナチェーンの門先にはこれがいいのだ。石原の狙うマーケットはこれだ!
3.今後、上海のビルにもドバイのビルにも緑のコーナーや坪庭の設置が流行となるだろう。そこに一々日本庭園の造園家が出掛けることはない。
  写真でガーデンデザイナーの作品を見て注文する時代になる。
  庭作りもオートクチュールからプレタポルテ、既製服への道を歩むであろう。

~~~追記~~~
帰りがけにバスで一緒になったおばさん達の情報によれば、「すんぷ夢ひろば」は9月16日で営業休止になるそうだ。
18年11月に開業したばかりなのに逃げ足の速いことだ。

 
  

2008.09.05

衣のたては綻びにけり

4泊4日の駿河湾クルーズに出た。
艇は下田の33F艇”G”。
オーナーのKさんと2人旅だ。

Kさんとはもう30年以上の付合いになる。
若いと思った彼も、もう64才だ。
艇は他に例を見ないほど整理整頓が行き届き、潔癖に磨きたてられている。
金に糸目をつけない整備でいつも調子は万全だ。1年前にエンジンも新換えした。
その彼が<そろそろ艇を手放そうか>と言い出した。
マリーナ管理ではなく、自然河川の河口に漁船や作業船と混じって係船しておくのは大変なのだ。
その気苦労、肉体労働を思うと、その気持ちも判りすぎるほど判る。
私がマイボートを手放したのは62才だった。私の場合は気苦労、肉体労働に加えて経済圧迫もあった。

夏のクルーズは荷物が少なくていい。
オイルスキン(雨合羽)を持って行こうかどうか迷ったが持参した。
結果は持参して正解だった。何度か出番があった。
衣類は節約し過ぎて着替えが不足した。失敗だった。

ところで私の寝るバース(寝台)に何か白い粉が落ちている。
プラスチック製品の砕片のようだ。
度重なるので何だろう?と追求したら、どうやらオイルスキンから零れているらしい。

オイルスキンは悪天候と戦うための必須のアイテムである。これだけはしっかりしたものを用意しなければいけない。
オイルスキンはクルーザー乗りのヨロイカブトであり、表看板である。
オイルスキンの耐用年数は品物や使用状況で異なるが、私がマイボートに乗っている時は4-5年だった。
現使用品Gillはゲストとしてたまに乗るだけなので殆ど傷まず、13年使っている。まだまだ使えると喜んでいた。

ところがである。
表地も裏地も縫い目も問題ないのだが、どうやら生地を貼り合わせている接着剤が老化・劣化して、剥がれて落ちているらしい。
それが零れてキャビン内を汚しているのだ。綺麗好きのオーナーに対し、まことに申し訳ないことであった。
ヨット乗りの表看板であるオイルスキンで粗相するとは、まことに恥ずかしいことであった。

私は<衣のたては綻びにけり>と、安部貞任・源義家の故事をひいて詫びたのであった。

~~~~~~
前九年の役で源氏が奥州に安部一族を討った。
源義家が騎馬で逃げる安部貞任をいよいよ追い詰めた時、貞任の鎧の袖が綻んでいるのを見た。
義家が<衣のたては綻びにけり>と声をかけると、貞任は咄嗟に<年を経し糸の乱れの苦しさに>と返した。
<つけたることのめでたさに めでてゆるししやさしさよ>と大正の文部唱歌は唄っている。

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写真は雲見崎の先に見える黒富士と、清水エスパルス会館前に出来た観覧車

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