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2008.08.02

水軍物語

3冊の水軍物語を読んだ。
「伊豆水軍」(永岡治 静岡新聞社 2008・3刊 1000円)
「村上水軍全史」(森本繁 新人物往来社 2008・1刊 2800円)
「群青-日本海軍の基礎を築いた男」(植松三十里 文芸春秋 2008・5刊 1600円)

~~「伊豆水軍」~~~~
非常に読みやすく、判りやすい。
著者は伊豆市で生まれ、教員を経て文筆業。
伊豆水軍といって特に大大将はいなかったのだが、源氏、北条、今川、武田など近隣の武将と伊豆の関わりが詳しく描かれている。あまり日本史レベルでは知ることのなかった歴史に触れて、現在伊豆に住む身にとってはとても興味深かった。

~~「村上水軍全史」~~~~
あまり面白くなかった。
著者は地方の歴史考証家。古文書や古跡を広く渉猟し、突合せ、系図の確定に情熱を燃やす。
私の知りたい船の装備や性能や、合戦の様子にはあまり眼が向かない。
とりあえず因島村上、来島村上、能島村上の3系統があることを知った。
大きな一族だが、南朝北朝の間で、織田毛利の間で、いいように使われて消耗した存在だったようだ。

信長が九鬼水軍に作らせた大安宅は凄い性能だったようで、村上水軍は完膚なきまでにやられる。
戦はスポンサーの器量次第か。

~~「群青」~~~~
幕府海軍の軍艦奉行、海軍総裁を務め、日本海軍の基礎を築いた男といわれる矢田堀景蔵の事跡を書いた本だが、私はその名前を聞いたことすらなかった。
勝麟太郎より先輩、榎本武揚は弟子である。非常に優秀な人だったようだ。

ペリー来航から明治維新まで日本の大動乱の時代だが、徳川幕府は結構外国の蒸気船を買い入れ、海外に人を送り出している。
そのための海員を育て、艦船を動かした人物だ。
勝は政治家であってまったく技術者でなかった。咸臨丸の航海で往復とも船室に籠って指揮をとる責任を果たさなかったのは有名な話だ。

著者は静岡出身、東京女子大を出て婦人画報社に勤務、現在文筆業。
矢田堀は明治維新後<沼津兵学校><静岡学問所>の設立に関わった。著者の静岡-東女という経歴ともあわせ、現在静岡人である私にとって縁深く感じられた本であった。

急に徳川幕府の財政はどうだったのか、そんな本を読みたくなった。
軍艦を買ったり、学校を作ったり、イギリスに償金を払ったり、征長の軍隊を送ったり、そんな金をどんな予算から出していたのだろう?

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