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2008.06.06

マイボートで地中海クルーズ

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同期の稲次哲郎君が三井物産をリタイア後42フィートのボートを購入して地中海に置き、毎年半分を船で航海し生活していることをご存知の方は多いであろう。
勿論私も航海当初からその壮挙を知り、強い関心と羨望の念をもってフォローしているものである。
しかし私は学生時代から稲次君とは面識がなかったところ、先日の50周年で初めて彼と対面し、挨拶したのであった。
彼は直ちに「船で暮らす地中海」(足立倫行 講談社 2003年刊)を送ってくれた。もう絶版となっていて私は入手出来なかった本だが、彼が無理して手配してくれたのであった。

これで私は彼の航海記を3つのメデイアで読んだことになる。
1.ヨット雑誌「KAZI」に2年にわたって連載された「グランドバンクス42で地中海クルーズ」
2.ルポライター足立氏による単行本「船で暮らす地中海」
3.朋友郡山史朗君が主宰?する小僧コムの看板コラム「稲次船長の地中海航海記」   である。
ちなみに彼のボートの艇名は「ハイドランジャー号」

それぞれについて軽い感想を述べる。
1.雑誌連載
  個人の航海者にとって、特に日本の航海者にとって地中海クルーズは夢である。
  海域の大きさ、海域の地形、海域の気象・海象はマイボートのサイズに適し、そして何よりも歴史の集積が圧倒的に航海者の心を唆る。
  そこには太平洋クルーズとは全く違うものがあるであろう。
  大いに期待して連載を読んだ。
  モータークルーザー(エンジンのみで推進する。時速約11ノット-20Km、ハイドランジャーの場合。)とセーリングクルーザー(セールとエンジンを併用する。時速約7ノット-13Km。燃料が切れても自航出来る。)とは走り方がまったく違い、航海に対する姿勢も思想も異なってくるのであるが、正直言って彼の最初の頃の航海記は私にはあまり面白くなかった。
  自分も航海者として、航海記は自分の航海のための参考書として読むのであるが、例えば最も知りたい海象の記述が少なかった。ボート乗りとヨット乗りの違いである。
  配慮すべきこと、記録すべきことにも欠落が多く、不満を感じさせた。
  当然である。彼はこの頃ビギナーだったのだ。
  しかし巡る港、泊地での出来事、多くの交遊は私にとっても夢の世界であった。

2.単行本
  足立倫行はよほど稲次船長の生き方に惚れ込んだものとみえる。地中海まで何度も足を運んでは航海を共にしている。
  サラリーマンを終えて、マイボートで世界を航海して回る男の姿、これは書き甲斐がある。これは多くの人々の心を捉えて、本も売れるだろうと思ったのだろう。
  そして彼の取材、彼の価値観で本をまとめた。
  航海部分だけでなく、稲次の生い立ち、三井物産での仕事、稲次を取り巻く人々などの記述が多い。いや、むしろそちらが主体かもしれない。
  そうだろう。足立は船を知らず、航海を知らない。ただ珍しく、面白がっているだけである。
  ただ、稲次のリタイア後の生き方に憧れてこの本を読む人にとっては、これが同じ目線なのかもしれない。
  国内でドサ回りの営業をしていた私にとっては、商社マンの仕事の実際は初めて知ることが多かった。彼が大変な努力家であることも知った。

3.SNSのコラム
  これはここ2-3年に書いたものだろう。初期の航海記とはまったく違っている。内容もあちこちで知合ったボート・オーナー仲間、泊地での人間関係などの記述が主体になる。
  船乗り仲間の交遊も、いきなり東洋からやってきた変なヤツと、毎年ラリーに参加する日本の紳士とは質が変わってくるのである。尊敬し、尊敬される人間同士の付き合いがここにはある。
  彼の観察はぐっと深まり、筆も伸びる。一番面白い。皆さん、小僧コムにどうぞ。

稲次君へ今後の希望
何時の日か、「ハイドランジャー号」を日本の港に繋いで欲しい。
イギリスのイエローブックの庭を巡るのもいいが、伊豆でオープンガーデンをやるのもいいものだ。

~~~~~~
写真の説明
自分の船を外から写真に撮ってもらうことは滅多にない。この写真はトルコのオーナー仲間が自家用機を操縦して「ハイドランジャー号」を撮影したものである。


 

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